体験レポート 田島 隼人さん

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田島さんが参加した アメリカ「教師アシスタント」


ユタ州ソルトレイクシティ近郊およびアリゾナ州フェニックス近郊の小学校でアメリカ人教師のアシスタントを行うプログラムです。授業以外にも、昼食、休み時間、放課後など1日の大半を子供たちや教師と共に過ごし、期間中最低1回、約20分~30分間のオリジナル授業を1人でおこなうことでアメリカの教育現場を体験することができます。日本にはない教育方法や価値観に触れることで、日本の教育や子どもたちのことを真剣に考えるきっかけになるでしょう。教員志望かどうかに関わらず、「子どもとの交流、世話することが好きな人」であれば素晴らしい体験ができるプログラムです。 >>詳細はこちら

短期間で語学力を伸ばしたい

私は、大学で英語と教育をメインに勉強していて、将来は高校の英語教員になることを目指しています。しかし、これまで海外経験がなく大学生活も3年目を迎え、そろそろどこか英語圏に行って自分の英語力を向上させる機会がないだろうかと考えていました。そのように考えながら大学の国際教育センターと言う、留学関係の資料が置いてあるところに行くとCIEEの海外ボランティアのパンフレットが目につき、その中から今回のアメリカの教育アシスタントを見つけて自分に合っていると感じ、参加を決めました。

私は、ユタ州でのボランティアプログラムに参加したのですが、アメリカの他の州や、他国に比べると日本人が少ない印象があり、嫌でも常に英語を話さなければいけない環境に置かれるというのは容易に想像できました。短期間で語学力を伸ばすためには、アメリカにいる間は日本語に頼らない。できるだけ多くコミュニケーションをとる。等の覚悟とそれを実際に行動に移すことが必要になるかと私は考えているのですが、ユタ州での教育アシスタントは、これら全てを叶えられる最高の場所だと考えたからです。

ユタ州ソルトレイクシティーとは

私はユタ州の州都ソルトレイクシティから車で約30~40分程行ったところの、サンディというところに滞在しました。そこは非常に多くの自然に恵まれていて、ステイ先から車で15分程のところにSnow Birdという、約12,300 feet(約3300m)もある山があり、その頂上までゴンドラで行くことが出来たり、とても大きな公園があったりと、日本とは大きく異なるアメリカの広大さを直に感じることが出来る場所でした。さらに、休日にはソルトレイク近郊にある大きな池でボートに乗り、最高の1日を過ごさせていただきました。

小学校での活動について

私は、小学3年生のクラスに配属され、担任の先生の教材準備の補助と、授業中の机間巡視、さらに児童達が授業に集中できるよう声掛けや個別指導を行いました。まず教材準備ですが、配属先クラスではMath, Reading, Writingの授業がメインで行われていた為、Mathの計算問題や週末に行われるReading Examのコピー、また、Instruction Sheetのラミネート等を行いました。担任の先生はCIEEボランティアを受け入れるのが初めてという事で、何を任せるか当初戸惑っていたようだったので、自分から「何か手伝えることがあるか」と常に話し合うようにしていました。

また、授業中には私の想像以上に児童達は授業に集中せず、友達とおしゃべりをしたり、本を読んだり、椅子を引いてガタガタさせたりと、一言で言うと“荒れて”いて、私が今回の2週間で一番学習したのは、クラスマネジメントと子供達を注意するフレーズではないかと思うくらいです(笑)例えば、「手に持っているものを置いて。」「椅子を引いて」等は、渡米前の私は言えそうで言えない状態でした。しかしそれぞれ、「Nothing should be in your hand」「Scooch your chair in」と言えば通じると知り、他のフレーズの+aでバリエーションの増加にもなるので、将来の日本の教室でも使っていきたいと思います。

休み時間(Recess)は私の配属された小学校では1日に2、3回あり、その時間には、児童は外に出て遊んだり、おやつを食べたりしていました。私は主に大縄跳びを一緒にしたり、児童達が遊んでいる様子を見守ったりして過ごしていました。児童達はとても元気に遊ぶので、見ていて微笑ましかったり、一緒に遊んでいて体力の低下を感じたりしますが(笑)、この時間は特に注意しなければいけません。自分達の小学生時代を振り返ってみると分かりますが、彼らはちょっとしたことで喧嘩をします。話し合いがヒートアップして、それでもお互いで解決できるような時は素晴らしいですが、誰かが泣いてしまったり、怪我をしてしまったりしている場合、話は別です。すぐに止めに入り、他の先生に報告、対処してもらう必要がありました。

給食の時間は私にとって楽しみの時間の一つでした。初日に全額を払い、毎日3種類の給食の中から児童達と一緒に選んで食べる形式でしたが、まず量が多く、身体に良い感じではなかったです。(笑)しかし、どれもとても美味しく、口に合わないという事はなかったです。更に、この時間は先生と児童は別々で食べます。先生たちにとって、この時間は自分たちの時間だからだそうです。ボランティアとして参加した私は、先生と食事をしても生徒と食事をしても良いと言われ、1日毎に先生/児童と食事をとることで、親交を深めることが出来たと思います。

ある一日のスケジュール
  • 07:00 起床

    08:00 ボランティア先へ出発(ホストファミリー宅から徒歩3分)

    08:20 ボランティア開始

    15:05 ボランティア終了。買い物に行ったり、ホストシスターのサッカーの試合を観戦

    19:00 帰宅後、夕食

    20:00 ファミリーの皆と映画鑑賞やビリヤード、カードゲーム

    21:00 学習した単語のチェックや翌日の準備

    23:00 就寝

小学校でのオリジナル授業

私は渡米前から日本紹介の授業を3つ考えていました。それらは、有名な場所紹介+カルタ、折り紙で兜作り、福笑いでしたが、どれも児童達に楽しんでもらえると自信をもっていました。しかし、先生方の授業進行の都合もあるので、時間の都合上3つもやらせていただくことは出来ないのではないかと心配していました。これをホストマザーに相談したところ、「うん、確かに時間はないかもね。でも、児童達も日本から来たあなたや日本に興味を持っていると思うし、先生と話してみたらいいんじゃない。」と助言をくれ、翌日先生と交渉してみました。そのところ、「うん、勿論大丈夫だよ。何分くらいほしい。どこでやるか日取りを決めようか。」と、快諾していただくことが出来、あまりにもとんとん拍子で話が進んだことに自分でも驚いたのを覚えています。この辺りは、担任の先生の寛大さに深く感謝しています。

実は私のホストマザーも近隣の小学校に勤務しており、これも現地のコーディネーターのレベッカとホストマザー、担任の先生との交渉で1日だけホストマザーの小学校を訪れさせていただき、そこでも1度授業をさせていただきました。そのため、私は合計で4回、一回30分~40分の時間を頂いて日本文化紹介の授業を行いました。私はたまたまこのような幸運に恵まれていましたが、同時期に本プログラムに参加していた友人に聞いたところ2回授業をさせてもらうのが平均的だったようなので、回数や時間は学校によると思います。しかし、自分がどの程度できる準備があるという事を伝え、交渉してみることは大事だと考えます。

さて、肝心の日本文化紹介ですが、まず、カルタでは、最初にパワーポイントを使い、6つの日本の有名観光場所を紹介し、その後にカルタを行いました。カルタは既存の物ではなく、片面に写真、もう片面に説明文を写したオリジナルの物を印刷してラミネートして作り、それを用いて行いました。アメリカの場所も織り交ぜて、20枚弱のカードから私がどこについて話しているのかを、半ば想像力を使いながら当てている児童達はとても楽しそうでした。また、事前に紹介した場所については、そのカードをとった後皆に日本語で言ってもらう等、日本語も使ってもらうことに意識を置きました。

福笑いは、インターネットのテンプレート配布サイトから顔と顔のパーツをダウンロードし、印刷、ラミネートして持っていきました。ちなみにこのラミネートという工程はとても大切で、さもなければ、すぐに壊されてしまっていたでしょう。(笑)この福笑いは一番盛り上がり、友達が目隠しされながら可笑しな顔を作るのを、皆笑いながら、私/僕も早くやりたい!とワクワクしながら待っていました。あまりの大盛況(&大発狂)ぶりに、反対側で授業をしていた先生が、「いったい何が起きているの!?」と来た程です。福笑いは万人受けするということが発覚したので、ホストマザーのクラス(4回目の日本紹介クラス)では、2度目の福笑いを行い、ここでも大反響を呼びました。

最後は皆で兜を被ってポーズをきめたりして楽しみました。しかし、折り紙はいざ教えるとなると非常に難しいという事が分かります。当然のように、「どこまで折ればいいの?」「これであってる?」という疑問が児童達から沸き上がり、それら全てに対応していたら、1つの兜を作る前に日が暮れてしまいます。そこで私は、5人で一組の班を作り、それぞれにInstruction Sheet を配り、分からなくなったら今は〇番をやってるよ!というように、常に自分がどこの段階を折っているのかというのを理解してもらえるようにしました。さらに、5人の中でリーダーを決め、1段階折るごとに教室を回り、理解していない児童がいる班のリーダーに、その子を助けてもらえるよう指示、無事に全員完成させることができ、達成感と共にほっとしました。

 

気候、公共交通機関、Wifi環境

比較的湿気の少ない地域で、走り回らなければあまり汗もかかず、私が訪れた9月初旬~中旬は気温も30℃前後で過ごしやすかった印象です。私は、公共交通機関のバスや電車を利用しませんでしたが、同時期に本プログラムに参加していた友人の話だと、しっかり話を聞いて利用すれば問題ないようです。また、私の滞在したホストファミリーやボランティア先ではWifiを利用することが出来、連絡や教材準備、学習に不便さを感じることは無かったです。

ホストファミリーと過ごした充実した週末

私は週末をホストファミリーと過ごしました。土曜日に到着し、翌日の日曜日、祝日で学校が休みになった月曜日は、家の近くのSnow Birdという山の麓で開かれていたOktober Festival(スペルミスではなくドイツ系のお祭りだった為)に参加したり、山頂まで登ったり、ソルトレイクシティ近郊の池でボートに揺られて1日を過ごしました。

また、第2週目の週末はBBQを楽しんだり、State Festivalに参加したりして、アメリカ風の賑やかな雰囲気を堪能するとともに、自分の派遣先小学校の先生に招待されて日本料理店に訪れ、多少のアレンジのある日本食に舌鼓を打つ等、充実した日々を送りました。

こんなことが起こりました!

2日目に行ったOktober festivalでタペストリーを購入した時、「1つで10ドル、2つで15ドルよ」と言われたので、1つ買って20ドル支払ったところ、5ドルしか返ってきませんでした。(笑)その場ですぐに騙された、もしくはチップとして受け取られたと気づいたのですが、冷静に考えてチップとして品物の1/2の価格は高く、「お釣りは10ドルだよね?」と尋ねようと考えました。しかし、あまり日本では体験しないことを体験するのも海外経験の1つかと捉え、その5ドルはタペストリー屋のお姉さんに差し上げてきました。(笑)

英語を話すことや日本の良さについて、海外に出てみて気づいたことは?

前述の通り、私は今回のボランティアが初の海外経験だったので、自分の英語がどの程度通じるのか不安なまま渡米しましたが、空港内、ホームステイ先、また、派遣先学校でも意思疎通はでき、あまり英語力が原因で困ることはありませんでした。しかし、唯一苦い思いをしたのが、渡米3日目のボートに行った日です。そこでは、ホストファミリーとシスターの友達と一緒に一日を過ごしましたが、ティーンエージャーの話すスピードはやはり早く、また、池という環境で話されている英語が専門的だったため、理解することが出来なかったり、会話に入れなかったりと辛い時間がありました。しかし、そのままにしてはいけないと感じ、聞こえるまで聞き返したり、家に帰ってから分からなかった単語を調べたり、聞いたりして英語力向上に努めました。

これから参加される方へのメッセージ

CIEEのアメリカ教師アシスタントに参加しようかと迷っている皆さん!このプログラムに参加することで、英語力の向上は勿論、参加すると決めた時に得られる自立心や決断力、不慣れな環境において自力で過ごしていく力強さ、更に、異文化を経験し、友人の輪を世界に広げることができると考えています。上記に挙げた利点の他に、2週間という短い期間から参加できる手軽さや、現地の小学校に実際に飛び込み、その教育の特質や方法を知ることが出来る点。更に彼らに日本や日本文化について発信することが出来るということは、自分の経験として非常に役に立ち、アメリカの子供たちが日本について知り、興味を持ってくれるきっかけを自らの手で作り上げることが出来るという、一生に残る思い出や功績になることでしょう。

確かに1人でアメリカに飛び立ち、教育現場に携わるというのは大きな不安があると思います。しかし、この不安を乗り越えることで、その先には絶対に成長した自分が待っています。参加を迷っているのでしたら、是非ともその大きな一歩を踏み出し、充実したボランティア体験をしてきてほしいと思います。

 
旅メモ

渡航・滞在費 航空券

往復で149,990円(デルタ航空)

持参した金額

現金 40,000円
クレジットカード 40,000円

日本を紹介するもの・おみやげ

お箸と折り紙(シンプルな物と柄つきの物)、インスタント味噌汁、手ぬぐいをお土産として持っていきました。お箸と折り紙、味噌汁はホストファミリーに、手ぬぐいは福笑いのクラスで利用した後、担任の先生にプレゼントしました。どれもとても喜んでもらえ、特にお箸は一緒に使う練習をしたりと盛り上がりました。