カナダアニマルケア体験談

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“自分から何かしたいことを発信するのは、最初はなんだかわがままを言っているようで、伝えるのに勇気が必要だった”

平山さんが参加したカナダ「アニマルケア」


トロント・バンクーバー・ビクトリア・カルガリーの4都市の中から希望の地域を選択し、現地の家庭に滞在しながら、地域サポート、環境保護、動物保護のいずれかの分野で活動するプログラムです。グル―プ行動は少なく、自主性や、積極性を伸ばしたい人に向いています。 >>詳細はこちら

参加した目的

今回このプログラムに参加した理由はいくつかあるが、最も大きな理由は、今いる日本の生活、環境のままでは得られない体験をしたいと思ったからである。今の私には、大学卒業後、何をしたいか、どうなりたいかという目標像がない。目標像や将来の夢というのは自分の好きなことや得意なことに関連してできるものであると思うが、それがないということは、私は自分自身の好きなことや得意なことをわかっていないということに言い換えられると思った。自分でできることを増やし、少しでも夢を見つけるヒントを得たいと思い、この海外ボランティアの参加を決めた。

物心ついた時から猫が嫌いなこともあり、これまでは動物との触れ合いを避けてきた。しかし、将来の目標像を見つけるためにも、今までの人生で1番関わりがなかったことに挑戦したいと考え、さまざまな種類のボランティアの中からこのカナダのアニマルケアのプログラムを希望した。

ボランティアの活動内容

私が活動したのはGuelphにあるGuelph Human Societyという場所で、動物の保護や、保護した動物のお世話やケア、新しいお家を斡旋するようなところだった。施設は、大きく分けて、猫・小動物側と犬側の2つに分かれていて、猫・小動物側には1匹1つのケージにいれられた猫、ネズミ、ウサギなどがいた。

猫・小動物側では、糞の処理・掃除、ケージに入っていたエサや水を新しいものに変えたり、猫用のシーツなどの種類分け・畳んで決められた棚にしまったり、汚れたエサ用の食器などを洗い、タオルで拭く作業を行った。


犬側では、ケージの掃除、おもちゃやシーツを洗濯・乾燥、おもちゃはケージに入る犬のタイプを考えて、きれいなものをそれぞれの棚から出す、他の使用済みの小さなケージやエサ用の食器を洗い、干し、消毒するものは消毒スプレーをかけ、タオルで拭く作業を行った。1日の最後には、敷地内の屋外スペースや犬が逃げ出さないよう、扉を閉めた部屋の中で犬と遊ばせてもらうことが多かった。


今回のボランティア活動を通して、少しでも猫嫌いを克服したいと考えていたのだが、ボランティア4日目あたりに施設の猫側のエリアで猫のウイルスが発生してしまい、ボランティアや見学者は猫のエリアに立ち入れなくなってしまった。それはボランティア最終日になっても開放されることはなかった。私は、活動の中で猫と触れ合えるようになったら、猫を抱いて写真を撮りたいと思っていたが、ボランティア中に猫と接する時間が短く、体をなでるまでで終わってしまった。

日常生活について

ホームステイは、ホストマザーが一人暮らしをしている一軒家だった。彼女は基本的に日中も家にいて、わからないことがあってもすぐに聞くことができた。好きなことをしたり、時々友達に会いに出かけたりしていて、自分の時間をゆったり楽しんでいる印象があったが、話を始めるとしっかり聞いてくれた。自分のしたいことを相談すると、黒いジープを運転して、いろいろな場所に連れて行ってくれた。 


同じ家に高校2年生の中国人の女の子がホームステイしていた。彼女は私より3日早くカナダに来たようで、カナダにはまだあまり慣れていないようだったが、スマホで家から近い公園を検索して自分で行くなど、活動的な子だった。夕方や休日は彼女と一緒に過ごすことが多かった。


自分なりに考える異文化理解について

異文化理解を深めるには、まず自分の国の文化を正確に知っているべきだと感じた。そうしなければ、海外の文化を知ったとしても、違いがわからないし、説明を求められてもできないからである。

一緒にステイしていた中国人の女の子と、日本の女子高生や女子高生の制服の話になったときに、自分が日本で過ごしていると当たり前だと思っていることが、海外から見ると日本の文化としてみられるということも実感した。そのときは、言葉でうまく説明できなかったので、その場でインターネットで検索して写真を使って説明した。

自分の国の文化を知識としてだけでなく、物の感じ方や考え方を言葉で表現できるように準備したり、写真など用意したりするとよいと感じた。

また、海外の文化を理解するには、自分の文化とは違うことを受け止め、その異なる文化を敬うべきだと思った。もし仮に、その文化を受け入れられなかったとしても、世界に自分の異なる文化があるということを知ることができ、世界の見え方が変わるきっかけになると思う。

異文化の中での実体験

事前に、ホームステイがあるGuelphからトロント市内に行くために、駅や時間を十分に調べた上で計画したが、駅でチケットを買うとき、日本で電車の切符を買うよりも機械の操作が複雑で、失敗してしまい、その日に行くことができなかった。ホストマザーに「明日、もう一度トロントに行きたいんだけど…」と相談すると、「だめ。今日失敗したでしょ。」ときっぱり言われてしまい、私はもうあきらめるしかないと感じ、ショックを受けた。

その気持ちが私の表情に出ていたようで一緒にステイしていた子に心配されてしまった。ホストマザーに言われたことを説明すると、「それを決めるのはマザーじゃなくてYuinaでしょ。」と言われ、はっとした。確かに言われてみると私はホストマザーに自分の発言を1度否定されただけであきらめようとしていた。 しかし、トロントに行くのは私であり、それも決めるのも私だ。その日までの体験で「自分の考えを持ち、主張すること」が重要視されるのは感じていたが、行動に移せていなかったことに気づいた。私は、次にカナダに行くのがいつになるかわからないのに、この最後のチャンスを逃したくないと思い、トロントへ向かうための計画を練り直した。

そしてホストマザーに相談の形ではなく、今度は「明日、一人でトロントに行く。」と言い切る形で伝え、今日と違う交通手段で行くことを紙に書いて説明し、「それなら何も問題ないね。」と了承してもらった。そして次の日にトロントに行き、観光を楽しむことができた。これは今回の経験の中でも今後につながる価値ある経験だったと感じた。


反対に、後悔したこともある。それは自分から興味のあること、したいことを発信しなかったことである。全くしなかったわけではないのだが、その必要性を理解するのに遅れてしまった。ホームステイを始めてすぐのころ、朝食で何を食べたいか聞かれたときに、「何でもいい」と答えてしまい、ホストマザーを困らせてしまったことがあった。私は自分が食べたいものを言うことで相手も困らせたくないと考えて言ったつもりだったのだが、考えていたのとは逆のものになってしまった。

プログラム参加中、「何かしたいことはある?」と周囲の人から聞かれることは絶対にない。だから、短い期間により多くの体験を得るためには、自分から発信して、より多くの機会を得る必要がある。最初はなんだかわがままを言っているようで伝えるのに勇気が必要だった。しかし、自分から発信してみると、実際にそれが体験できたり、それに沿った提案をしてくれたり、話が膨らむのが楽しかった。もっと早くから意識すればよかったと感じた。

海外体験が自分に与えた影響

日本の学校の授業では先生に質問できる時間があったとしても、あまり手を挙げて質問する人はいない。だが、欧米の学校では、「今の説明がよくわからなかったので確認したいのですが、…」とわからないことを口に出し、わかろうという姿勢多くあるそうだ。

以前、私は物事を知らないことは恥ずかしいことで、わからないことがあってもそれが周りに気付かれることが怖く、放置することが多かったが、自分が思っているよりも世界は広くて、まだまだ知らないことがたくさんある。その知らないことを減らすには、わからないことはわからないと口に出し、教えてもらったり、自分で調べたりして、物事に対する理解を深めるようにしたい。

また、帰国してからプログラム参加の2週間を振り返ったときに気付いたが、何か1つのことを選択しなければならないときに、選択肢が1つしかなく仕方なくそれを選ぶか、視野が広く数多くの選択肢から1つ選ぶのでは大きな差がある。自分の知っている世界を大きくし、広い視野を持って物事に取り組み、選択肢を広げたいと思うようになり、今意識して行動するようにしている。

今後の目標

私は今回、今までの環境ではできない体験をするためにカナダに行った。より多くの体験を得るためにも、多くの人と関りをもつのは重要なことである。ボランティア初日、施設に伺うと、施設の造りの紹介を少しされた後、すぐに作業になってしまった。行く前からボランティア先で自己紹介をする時間はとってもらえないことを聞いていたので知っていたのだが、自己紹介をするタイミングを逃してしまった。

ボランティア2週目に、同じ施設でボランティアしていた違う女の子は、職員の方と親しげに話していた様子だったので、最初に自分から積極的に思い切って話しかけるべきだったと後悔した。これから、新しい場所で新しい人と出会うときには必ず自分から声をかけに行きたい。

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