達セミに学ぶ 英語学習のヒント

全国の熱血教師による授業に学ぶ英語学習方法伝授

胡子美由紀先生
  • 広島市立井口中学校
  • 胡子美由紀先生
今回のヒント
誰でも簡単にできる!音読→暗誦でコミュニケーションの土台づくり!

はじめに

世間にはいろんな学習法があふれていますが、英語力を向上させるために地道に音読することは非常に有効です。私自身も中高生の時に何回も授業で音読し家庭学習でも教科書を手に声を出して覚えるまで練習しました。音読により英文の内容理解ができ、声を出すことで英語らしい発音が身に付きます。また、覚えてしまうことで自分が使える英語表現を身体に染込ませていくことができます。何より声を出すとドーパミンが出て脳が活性化し学習効果が上がりますし、英語を使う身体づくりができるのです。波及効果として、口角を上げることを意識した音読でリフトアップに!ドーパミンが出ることで若返り効果も(笑)!

音読の目的と目標

音読で力をつけるポイントは、目的と目標を明確にし、自分が英語学習者として音読を通して目指す姿やつけたい力をイメージし取り組むことです。英語はコミュニケーションのツール。英語という言語の音声や文字を通して意志の疎通をすること、他者と良い関係を築くことに本当の目的があります。言語本来の目的を考えない学習は効果を半減させます。だから、音読もその先にあるところ(言語使用)を意識して取り組むことが大切です。以下は私の音読の目的と目標です。授業と一緒で音読もゴールイメージを持って臨むと力がつきます。

音読の目的:
他者とコミュニケーションを図るときに素早く自分の思いを表現できる英語の回路をつくること
自分を表現するアウトプットができるようになること
音読の目標:
きれいに発音することができる
意味と音声が一致した読みをすることができる
英文を英文のまま理解することができる

使える英語を習得するには脳内に英語の回路をつくることが大切で、自分のものにするには音読が有効なのです。

音読の方法

授業では生徒の実態と英文の内容により30種類以上の音読の中から選んで行います。読み方を変えながらスモールステップで25回以上音読します。以下に生徒に好評の音読方法をご紹介します。音読から暗誦へのステップを踏んでいます。

      ①ストロベリー(一語)リーディング(発音確認)
       教師かモデル生徒の後を1語ずつリピートして読む
      ②スラッシュリーディング(語句のまとまり・かたまりをつかむ)
       意味の区切りでスラッシュを入れ読む
      ③タイムリーディング(スピード・数値化)
       1分150語(WPM)を目安として本文数から目標タイムを設定。スピードを計り読む
       最初と最後の2回タイムを測定し伸びを見る
      ④シースルーリーディング(負荷)
       ペアでハンドアウトを1枚持ち、裏から透かして同時に読む
      ⑤かくれんぼリーディング(語句・英文のつながり)
       教科書の上に鉛筆かペンを数本置き、見えづらいようにして読む
      ⑥ジェスチャーリーディング(音声と意味の一致)
       何も見ないで教師の音読に合わせてジェスチャーをする
       または、内容が伝わるように自分が言いながら動きをつけながら読む
      ⑦レースリーディング(語と語のつながり・短期記憶刺激)
       パワーポイントで英文が消えたり邪魔をするものが落ちてきたりなどして読む
      ⑧タケノコリーディング(短期記憶刺激)
       各自が英文を3~4文決め、英文の順番になったら立ち上がり叫びながら言う
      ⑨マスクリーディング(長期記憶刺激)
       デジタル教科書やパワーポイントを使用し定着させたい単語や句、英文をマスキングして読む
      ⑩リスニングトランスレーション(瞬発力)
       ペアで一人が日本文を言い他方が英文で言う

さらに具体的な音読方法については下記拙著を参考にしていただけると幸いです。
『生徒を動かすマネジメント満載!英語授業ルール&活動アイデア35』 (明治図書出版)

これだけ読むと英文が自分の中に内在化してきますし、実際には言いながら書く(音読筆写)トレーニングも入ってくるので、4技能をフル活用して英語を習得することになるのです。

音読の素材

誰もが手にしたことがある中学校の教科書を活用しましょう。ICCの千田潤一先生によると、TOEICテストの語彙の約80%が中学2年生までの教科書に出てきた単語でカバーされているそうです。物足りなくなってきたら、少しずつレベルアップしたものにチャレンジしていくと良いと思います。

 

英語は自分が声に出してこそ身に付くものです。音読し発音できるようになり、それを暗誦して自分のものとして表現できるようになったという自信が次へのステップとなり、英語を使いコミュニケーションを図ろうとする土台となっていくのです。まずできるところから始めてみませんか?初めの一歩が次につながります!

 

【参考文献】
  ○『生徒を動かすマネジメント満載!英語授業ルール&活動アイデア35』
   明治図書/胡子美由紀(著)

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