達セミに学ぶ 英語学習のヒント

全国の熱血教師による授業に学ぶ英語学習方法伝授

北海道壮瞥町立壮瞥中学校/大塚謙二先生
  • 北海道壮瞥町立壮瞥中学校
  • 大塚謙二先生
今回のヒント
初級・中級の英語力をUPするコツ

 

テキストを活用した英語学習では長文を読んで理解することが基本だというイメージが強いと思います。しかし、特に初級、中級の学習者には日本語訳を利用したアウトプットを中心とした学習方法が色々な力を高めることが分かりました。

1.授業で発見した和訳をフル活用した25分間の活動

英語学習者のための雑誌や教材の多くには和訳がついています。多くの人たちは、英文を読んで意味の確認に使っていることでしょう。今回はその和訳をアウトプットに使う方法をご紹介します。初級、中級のテキストの英文は平易で基本的なものが多く、英語ですぐに言えるようにしておきたいものです。私の授業で行っているActive Reading(音読+和文英訳活動)では上位から下位までの多くの生徒たちが力を付けて、地域で行っている統一テストでも有効であることが確認できたのでご紹介します。

現在取組んでいる活動では、
①まず新出語句を練習し、日本語を見て英語で言えるようにする。
この段階で教科書ならそれ以外の単語は既習事項なので音読はできます。ですから、授業のゴールを音読に設定するのでは簡単すぎます。
②日本語訳を見て英文を発話してみる。
日本語訳を見て英文を発話してみると、英語で表現しづらい文に出会います。その時が英語力アップのチャンスです。分からなくてモヤモヤしている状態で、英文を確認すると理解が進みスッキリします。その時に気づきや発見があり印象深く覚えることができます。難易度を下げるなら、先に英文を読んでからでもOKです。
③最後の仕上げは、和訳を見ながらスラスラ英文を言えるようにトレーニングする
これを25分間行います。本校でも多くの生徒達が3年生の最後までこの活動で1ページ全部を和文英訳することができました。

2.知識は「語彙」「文法」「発音」、技能は「読む」「話す」「聞く」のUPが期待できる

もう何年もこの活動をして感じることは、個人が無理なく現在の英語力に少しずつ年輪を増やすように着実に力を付けていくことができることです。それが、たとえ中学1年生の時にサボってしまった生徒でさえ過去の知識を取り戻すことに繋がるのです。なぜならbe動詞をはじめとする重要な単語と表現は何度も繰り返し出てくるので、それを繰り返し覚えることができるからです。難しい英文が覚えられない生徒は簡単な英文にチャレンジすればいいのです。テキスト全部を覚えられないなら自分のペースで覚えればいいのです。

教科書を自分なりの英語で発話するリテリングが流行していますが、やはり、初級、中級の生徒は自分なりの不正確な英語を発話するよりも、まずは、教科書の正確な英語を表現できるようにすることの方が大切です。基礎ができた上で即興でリテリングさせることも大切ですから、正確な英文を覚えて言えるようにすることと、自分の英語力を駆使してリテリングすることのバランスを学習者のレベルに応じて調整すると良いでしょう。

この活動について生徒たちにアンケートを実施した結果、下位の生徒たちに共通するコメントは「単語を覚えることができるので良い」「英語で全部言えた時がすごく嬉しい」「だんだん英語が分かるようになってきた」、上位の生徒は「英語を話せるようになってきた」「リスニングテストが楽になった」「英語のテストの点数が上がってきた」などです。教師として感じることの弱点と思えることは、集中力が英文を発話することに注がれるために、良い発音をすることにまでは生徒のattentional resourceを振り向けることが難しいことです。そのため、別メニューで発音を意識した活動も取り入れたいものです。

このように、和訳を使ったアウトプット中心の活動は授業だけなく、自分1人でも和訳があれば勉強することができます。大切なことはテキストのレベルを「i+1」の現在の自分の英語力+1の難易度のものを適切に選んで行うことです。

[参考図書]
教科書だけでここまでできる! 最強の英語授業のつくり方』学陽書房/大塚謙二著 

 

北海道壮瞥町立壮瞥中学校/大塚謙二先生
  • 北海道壮瞥町立壮瞥中学校
    大塚謙二先生 プロフィール
  • 北海道教育大学大学院英語教育専攻修了。公立中学校に33年間勤務。英語が苦手な生徒への指導方法を研究。著書は単著共著12冊、ジャパンライム株式会社から英語教育用DVD9枚、中学校教科書サンシャインイングリッシュコース著者、ホームページでは、フリーのプリントやパワーポイント教材がダウンロードできるようにして若い先生たちの応援をしている。
    ホームーページURL:http://hien.qee.jp/ken/
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